胸郭出口症候群は、整体・マッサージが症状の改善に効果的な施術方法です。
主に、マッサージのように、胸郭出口症候群の原因となっている緊張している筋肉を指で押して、筋肉の緊張を緩めるような施術が効果的です。
また、胸郭出口症候群が起こる原因を理解し、その原因を改善することも、整体・マッサージの施術を受けるのと同時に大切なことです。
胸郭出口症候群の症状とメカニズム
胸郭出口症候群は、腕や手の重だるさやしびれの症状が現れます。
腕や手の感覚を支配する神経は元をたどると、脳から背骨の中を通っている脊髄を通り、首から神経の枝を出して、肩の上、鎖骨の下、脇の下、腕を通って、手まで神経が伸びています。
胸郭出口症候群は、その神経の通り道である、首にある斜角筋(しゃかくきん)という筋肉や、鎖骨の下にある小胸筋(しょうきょうきん)という筋肉が緊張して固くなり神経を圧迫するため、腕や手の重だるさやしびれの症状が現れます。
胸郭出口症候群以外で、首にある頚椎や首の筋肉に手や腕のしびれの原因がある場合としては、肩こり・頚椎椎間板ヘルニア・頚椎症などがあります。
手のひらの手根管というところにしびれの原因がある場合は、手根管症候群といいます。
肩こり・頚椎椎間板ヘルニア・変形性頚椎症・手根管症候群・腕のしびれ・手のしびれの原因と整体・マッサージは、別のページで紹介しています。
胸郭出口症候群の原因と改善方法
胸郭出口症候群を治す近道は原因を理解する
胸郭出口症候群の原因
長時間のデスクワークで頭が前に出る姿勢になってしまい、首の筋肉が緊張する。
長時間のデスクワークで猫背になり肩関節を前方に巻き込んだ姿勢により、鎖骨の下の筋肉が緊張する。
重い荷物を手で持ったり、肩にかけることが多いため、荷物の重みで肩が下に下がり、首の筋肉が引っ張られた状態になり、首の筋肉が緊張する。
などの原因が考えられます。
原因をしっかりと見極め、改善できるところは改善して、胸郭出口症候群の症状が起こらない姿勢や動作を理解することが大切です。
原因を理解できたらそれを改善する
胸郭出口症候群の改善方法
デスクワークのときの椅子や机の高さを調整して、頭が前に出ず、横から見たときに頭が肩と同じ高さにくるようにする。
デスクワークのときの、椅子や机の高さを調整して、猫背などの不良姿勢にならないようにして、鎖骨の下がこらないようにする。
重い荷物を手に持ったり、片方の肩にかけるのではなく、リュックに入れて両肩でバランス良く持つようにする。
または、キャリーバッグに入れて肩に荷物の重みがかからないようにする。
などの改善方法があります。
ご自身でいろいろと試しながら、自分にあった改善方法を見つけることが大切です。
胸郭出口症候群の原因となる筋肉
胸郭出口症候群の原因となる筋肉は2種類あります。
斜角筋(しゃかくきん)
斜角筋は、首にある頚椎の上部の側面から出て、鎖骨のすぐ下にある肋骨に付いています。前斜角筋・中斜角筋・後斜角筋の3つからなり、首の真横からやや前方にある筋肉です。
斜角筋が原因となる胸郭出口症候群は、斜角筋症候群といいます。
腕や手の感覚を支配する神経が、斜角筋の筋肉の中を貫いて、腕の方に伸びているため、画像の『ポイント1』『ポイント2』(首の真横の下の方)が緊張すると神経を刺激して、斜角筋症候群の原因になります。
斜角筋症候群の特徴としては、腕をバンザイするように上に挙げると症状が軽減されます。腕を上に挙げると斜角筋の緊張が緩むからです。
斜角筋症候群の原因
パソコンの画面を見るときに猫背の姿勢になると、首を前に突き出した状態になります。
その状態で、頭の重みを支えるために首の前側に力が入っていると、『ポイント1』『ポイント2』の部分にある筋肉が緊張する。重い荷物を手で持ったり、肩にかけることが多いため、荷物の重みで肩が下に下がり、斜角筋が引っ張られた状態になり、『ポイント1』『ポイント2』の部分にある筋肉が緊張する。
などの原因があります。
小胸筋(しょうきょうきん)
小胸筋は、鎖骨の外側の下にある肩甲骨の一部の骨の出っ張りから出て、斜め下の内側に伸びて肋骨に付いている筋肉です。
小胸筋が原因となる胸郭出口症候群は、過外転症候群といいます。
腕や手の感覚を支配する神経が、小胸筋の筋肉の下を通って、腕の方に伸びているため、画像の『ポイント』(鎖骨の外側の少し下)が緊張すると神経を刺激して、過外転症候群の原因になります。
過外転症候群の特徴としては、何もしなければ症状が強くでることはないですが、電車のつり革を持つように、肘を曲げた状態で腕を少し横に上げた姿勢になると症状が強くでます。つり革を持つような姿勢が小胸筋が伸ばされた状態になり、神経を圧迫するからです。
過外転症候群の原因
パソコンの画面を見るときに猫背の姿勢になると、肩が内側に巻いているような姿勢になり、『ポイント』の部分にある筋肉が緊張する。
普段から猫背で、肩が内側に巻いているような姿勢になっていると、『ポイント』の部分にある筋肉が緊張する。
などの原因があります。
胸郭出口症候群の整体・マッサージ
施術方法
上記の胸郭出口症候群の原因となる2種類の筋肉の中から、問診や触診により、胸郭出口症候群の原因になっている筋肉を的確に見つけ出します。
そしてその筋肉に、筋肉の繊維に対して垂直でまっすぐに指をあて、筋肉の繊維を傷つけないように、腕や手の重だるさやしびれのでているところにジワーっと響くらいで、「痛気持ちいい」と感じる快適圧で押してマッサージします。そうすると、筋肉の緊張が緩和され、血流が良くなり、腕や手の重だるさやしびれが軽減されます。
患者様によって快適に感じるマッサージの強さが違うため、患者様とコミュニケーションを取りながら、一人一人に合ったマッサージを提供することが大切です。
腕や手の重だるさやしびれにより、腕や手の筋肉も緊張をしてしまうため、緊張している腕や手の筋肉もマッサージします。
斜角筋と腕や手のマッサージは、仰向けか横向きの姿勢でマッサージします。
施術者は親指を使ってマッサージし、斜角筋や腕や手のどの筋肉を押しているのかを意識しながら施術します。
小胸筋のマッサージは、仰向けでマッサージします。
小胸筋のマッサージも、施術者は親指を使ってマッサージします。
細かい筋肉を意識しながら施術することで効率良く症状を改善させることができます。
施術頻度
施術の頻度は症状によって異なります。
症状が強い場合は、初めは週に2・3回施術できるといいです。
症状が軽い場合は、初めは週に1回施術できるといいです。
施術を続けると症状が改善してくるので、経過をみながら施術の頻度を少なくしていきます。
当院では、整体・マッサージの施術時間を10分 1,800円〜、時間を自由に決めることができ、施術時間を+10分延ばすごとに、+1,800円で施術します。
鍼灸治療を併用して施術効果を高める
整体・マッサージだけでも効果はありますが、鍼やお灸が苦手でなければ、整体・マッサージと鍼・お灸を併用して施術をするとより効果があります。
鍼は、整体・マッサージでは届かない身体の奥の筋肉に直接アプローチができ、より筋肉の緊張が緩和され、血流が良くなり、鎮痛効果が期待できます。
お灸は、熱刺激で温めることによって、より血流が良くなります。
患者様と相談をしながら、整体・マッサージのみで施術をするか、鍼やお灸も併用して施術をするかを決めていきます。
当院では鍼の自費施術は、本数を1~5本 1,800円〜、本数を自由に決めることができ、本数を+2本増やすごとに、+900円で施術します。
お灸の自費施術は、8個まで 1,800円~、個数を自由に決めることができ、個数を+1個増やすごとに、+200円で施術します。
鍼とお灸は続けて施術をする場合、健康保険を使って施術することができます。健康保険を使うことで、自費施術よりも料金を安く抑えることができます。
まとめ
以上のことから、胸郭出口症候群を治す近道は、症状が現われた原因をしっかりと見極め、改善できるところは改善して、胸郭出口症候群が起こらない姿勢や動作を理解することが大切です。
ご自身でいろいろと試しながら、自分にあった改善方法を見つけることが大切です。
胸郭出口症候群の原因となる筋肉は2種類あります。
斜角筋が原因となっている場合は、斜角筋症候群といいます。
小胸筋が原因となっている場合は、過外転症候群といいます。
胸郭出口症候群の原因となっている筋肉を見つけ出し、筋肉の繊維に対して垂直でまっすぐに指をあて、筋肉の繊維を傷つけないように、腕や手の重だるさやしびれのでているところにジワーっと響くらいで、「痛気持ちいい」と感じる快適圧で押してマッサージします。そうすると、筋肉の緊張が緩和され、血流が良くなり、腕や手の重だるさやしびれが軽減されます。
施術の頻度は症状によって異なります。
整体・マッサージだけでも効果はありますが、鍼やお灸が苦手でなければ、整体・マッサージと鍼・お灸を併用して施術をするとより効果があります。
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