手のしびれは、整体・マッサージが症状の改善に効果的な施術方法です。
主に、マッサージのように、手のしびれの原因となっている緊張している筋肉を指で押して、筋肉の緊張を緩めるような施術が効果的です。
また、手のしびれが起こる原因を理解し、その原因を改善することも、整体・マッサージの施術を受けるのと同時に大切なことです。
手のしびれのメカニズム
手のしびれは、手にある神経が興奮して、しびれを起こしている状態です。
手の感覚を支配する神経は元をたどると、脳から背骨の中を通っている脊髄を通り、首から神経の枝を出して、肩の上、鎖骨の下、脇の下、腕を通って、手まで神経が伸びています。
手のしびれは、この神経の通り道のどこかで神経を刺激している要因や、圧迫している要因があり、手にある神経が興奮している状態です。
また、神経の通り道とは関係のない筋肉に、トリガーポイント(しびれや痛みの引き金となる筋肉のポイント)というものができ、その筋肉のポイントを押すと、しびれや痛みのでているところに、ジワーっと響く感じがあります。その筋肉のポイントが手のしびれの原因になることもあります。
脳や脊髄に問題がある場合は、医療機関で手術が必要な場合があるため、一度医療機関で検査したほうがいいです。患者様の症状を確認しながら必要な場合は、医療機関を御紹介します。
首に7つある頚椎という骨の周りに問題がある場合や、手のひらの手根管というところに問題があり、しびれが強い場合も、医療機関で検査をする必要がある場合もあります。
しかし基本的には、脳や脊髄の問題ではなく、首から手まで通っている神経の通り道にある筋肉が神経を圧迫している場合や、筋肉にトリガーポイント(しびれや痛みの引き金となる筋肉のポイント)ができていることが原因の場合が多いです。その場合は、整体・マッサージが効果的です。
首にある頚椎や首の筋肉にしびれの原因がある場合としては、肩こり・胸郭出口症候群・頚椎椎間板ヘルニア・変形性頚椎症などがあります。
手のひらの手根管というところにしびれの原因がある場合は、手根管症候群といいます。
肩こり・胸郭出口症候群・頚椎椎間板ヘルニア・変形性頚椎症・手根管症候群の原因と整体・マッサージは、別のページで紹介しています。
ここから先は、筋肉が神経を圧迫している場合と筋肉にトリガーポイントができている場合の手のしびれについて詳しく紹介します。
手のしびれの原因と改善方法
手のしびれを治す近道は原因を理解する
手のしびれの原因
デスクワークなどで、首や鎖骨の下などがこる。
腕を上に上げる動作や、重い物を上に上げることが多い。
重い荷物を手で持ったり、肩にかけることが多い。
などの原因が考えられます。
原因をしっかりと見極め、改善できるところは改善して、手のしびれが起こらない姿勢や動作を理解することが大切です。
原因を理解できたらそれを改善する
手のしびれの改善方法
デスクワークのときの、椅子や机の高さを調整して、猫背などの不良姿勢にならないようにして、首や鎖骨の下などがこらないようにする。
腕を上に上げる動作や、重い物を上に上げることが多い人は、肩甲骨周りや腕の筋肉が緊張しやすいです。
ですので、肩甲骨周りや腕の筋肉のストレッチをしたり、肩甲骨や肩関節を体操のように動かして、肩甲骨周りや腕の筋肉の緊張をリセットする。重い荷物を手に持ったり、片方の肩にかけるのではなく、リュックに入れて両肩でバランス良く持つようにする。
または、キャリーバッグに入れて肩に負担がかからないようにする。
などの改善方法があります。
ご自身でいろいろと試しながら、自分にあった改善方法を見つけることが大切です。
手のしびれの原因となる筋肉
手のしびれでは、首・鎖骨の下・腕の筋肉が神経を圧迫したり、肩甲骨周りの筋肉にトリガーポイント(しびれや痛みの引き金となる筋肉のポイント)というものができ、その筋肉を押すと、手のしびれのでているところに、ジワーっと響く感じがあります。その筋肉の緊張を緩和させることで手のしびれが改善されます。
手のしびれの症状の原因となる筋肉は、首・肩甲骨周り・鎖骨の下・腕の筋肉の中で、8種類程度あります。
その中でも、手のしびれの原因となる代表的な筋肉を紹介します。
斜角筋(しゃかくきん)
斜角筋は、首にある頚椎の上部の側面から出て、鎖骨のすぐ下にある肋骨に付いています。前斜角筋・中斜角筋・後斜角筋の3つからなり、首の真横からやや前方にある筋肉です。
手の感覚を支配する神経が、斜角筋の筋肉の中を貫いて、手の方に伸びているため、画像の『ポイント1』『ポイント2』(首の真横の下の方)が緊張すると神経を刺激して、手のしびれの原因になります。
斜角筋の『ポイント1』『ポイント2』(首の真横の下の方)が元となる手のしびれの原因
普段から猫背で、首が前に出るような姿勢になっており、気が付くと、何もしていないときでも首の前側に力が入っているため、『ポイント1 』『ポイント2』の部分にある筋肉が緊張する。
パソコンの画面を見るときに猫背の姿勢になると、首を前に突き出した状態になります。
その状態で、頭の重みを支えるために首の前側に力が入っていると、『ポイント1』『ポイント2』の部分にある筋肉が緊張する。
などの原因があります。
棘下筋(きょっかきん)
棘下筋は、肩甲骨上にあり、肩関節の後方から側方に付いている筋肉です。
棘下筋は、手の感覚を支配する神経の通り道になっている訳ではないですが、画像の『ポイント』(肩甲骨の外縁より少し内側)は、手のしびれのトリガーポイント(しびれや痛みの引き金となる筋肉のポイント)ができやすいです。
棘下筋の『ポイント』(肩甲骨の外縁より少し内側)がの元となる手のしびれの原因
棘下筋は、腕を上に上げるときに使う筋肉のため、腕を上に上げる動作や、重い物を上に上げることが多いと、『ポイント』の部分にある筋肉が緊張する。
重い荷物を手で持ったり、肩にかけることが多いと、荷物の重みに耐えるために『ポイント』の部分にある筋肉が緊張する。
などの原因があります。
上腕三頭筋(じょうわんさんとうきん)
上腕三頭筋は、肩関節の後面の辺りや上腕の後面の上部から出て、下に伸びて肘の骨の出っ張りに付いている筋肉です。
手の感覚を支配する神経が、上腕三頭筋の筋肉の下を通って、前腕から手の方に伸びているため、画像の『ポイント』(上腕の後面のやや外側の肘に近いところ)が緊張すると神経を刺激して、手のしびれの原因になります。
上腕三頭筋の『ポイント』(上腕の後面のやや外側の肘に近いところ)が元となる手のしびれの原因
上腕三頭筋は、肘を伸ばす筋肉のため、肘を伸ばして腕を上に上げる動作や、重い物を上に上げることが多いと、『ポイント』の部分にある筋肉が緊張する。
買い物袋などで重い荷物を肘を伸ばして片手で持つことが多いと、『ポイント』の部分にある筋肉が緊張する。
などの原因があります。
手のしびれの整体・マッサージ
施術方法
上記の手のしびれの原因となる代表的な筋肉や、その筋肉を含む8種類程度ある手のしびれの原因となる筋肉の中から、問診や触診により、神経を圧迫している筋肉や手のしびれの原因になっているトリガーポイント(しびれや痛みの引き金となる筋肉のポイント)を的確に見つけ出します。
そしてその筋肉に、筋肉の繊維に対して垂直でまっすぐに指をあて、筋肉の繊維を傷つけないように、手のしびれのでているところにジワーっと響くらいで、「痛気持ちいい」と感じる快適圧で押してマッサージします。そうすると、筋肉の緊張が緩和され、血流が良くなり、手のしびれが軽減されます。
患者様によって快適に感じるマッサージの強さが違うため、患者様とコミュニケーションを取りながら、一人一人に合ったマッサージを提供することが大切です。
肩甲骨周りと腕のマッサージは、うつ伏せか横向きの姿勢でマッサージします。妊婦さんやうつ伏せになることができない内臓疾患をお持ちの方などは、必ず横向きの姿勢でマッサージします。
施術者は親指を使ってマッサージし、肩甲骨周りや腕のどの筋肉を押しているのかを意識しながら施術します。
首と鎖骨の下は、仰向けでマッサージします。
首の後ろ側にある筋肉は、肩甲骨周りの筋肉よりも一つ一つの筋肉が細く、何種類もの細かい筋肉が密集しているため、施術者は親指よりも細い、中指か人差し指を使ってマッサージします。
首の前側にある斜角筋と鎖骨の下の筋肉は、筋肉に幅があるため、施術者は親指を使ってマッサージします。
細かい筋肉を意識しながら施術することで効率良く症状を改善させることができます。
施術頻度
施術の頻度は症状によって異なります。
症状が強い場合は、初めは週に2・3回施術できるといいです。
症状が軽い場合は、初めは週に1回施術できるといいです。
施術を続けると症状が改善してくるので、経過をみながら施術の頻度を少なくしていきます。
当院では、整体・マッサージの施術時間を10分 1,800円〜、時間を自由に決めることができ、施術時間を+10分延ばすごとに、+1,800円で施術します。
鍼灸治療を併用して施術効果を高める
整体・マッサージだけでも効果はありますが、鍼やお灸が苦手でなければ、整体・マッサージと鍼・お灸を併用して施術をするとより効果があります。
鍼は、整体・マッサージでは届かない身体の奥の筋肉に直接アプローチができ、より筋肉の緊張が緩和され、血流が良くなり、鎮痛効果が期待できます。
お灸は、熱刺激で温めることによって、より血流が良くなります。
患者様と相談をしながら、整体・マッサージのみで施術をするか、鍼やお灸も併用して施術をするかを決めていきます。
当院では鍼の自費施術は、本数を1~5本 1,800円〜、本数を自由に決めることができ、本数を+2本増やすごとに、+900円で施術します。
お灸の自費施術は、8個まで 1,800円~、個数を自由に決めることができ、個数を+1個増やすごとに、+200円で施術します。
鍼とお灸は続けて施術をする場合、健康保険を使って施術することができます。健康保険を使うことで、自費施術よりも料金を安く抑えることができます。
まとめ
以上のことから、手のしびれを治す近道は、症状が現われた原因をしっかりと見極め、改善できるところは改善して、手のしびれが起こらない姿勢や動作を理解することが大切です。
ご自身でいろいろと試しながら、自分にあった改善方法を見つけることが大切です。
手のしびれの原因となる筋肉は、首・肩甲骨周り・鎖骨の下・腕の筋肉の中で、8種類程度あります。
手のしびれの原因となっている筋肉を見つけ出し、筋肉の繊維に対して垂直でまっすぐに指をあて、筋肉の繊維を傷つけないように、手のしびれのでているところにジワーっと響くらいで、「痛気持ちいい」と感じる快適圧で押してマッサージします。そうすると、筋肉の緊張が緩和され、血流が良くなり、手のしびれが軽減されます。
施術の頻度は症状によって異なります。
整体・マッサージだけでも効果はありますが、鍼やお灸が苦手でなければ、整体・マッサージと鍼・お灸を併用して施術をするとより効果があります。
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