腰痛は、鍼灸が症状の改善に効果的な施術方法です。
腰痛の原因となっている緊張している筋肉や腰にある関節に鍼を刺すと、血流が良くなり、筋肉の緊張が緩和され、鎮痛効果が現れます。
お灸もすると血流が良くなり、より筋肉の緊張が緩和されます。
鍼とお灸をすると身体の中でどのような反応が起きて腰痛に効果があるのかや、腰痛の鍼灸の施術方法を詳しく説明します。
鍼灸治療がなぜ腰痛に効果があるのか?
腰痛は、2種類あります。
1つ目は筋筋膜性腰痛(きんきんまくせいようつう)です。
筋筋膜性腰痛は、腰やお尻周りの筋肉が緊張することで、痛い・重だるいなどの症状が現れます。人によって症状がでる場所が異なり、緊張している筋肉も人によって異なります。また、複数の筋肉が緊張している場合もあります。2つ目は椎間関節性腰痛(ついかんかんせつせいようつう)です。
腰に5つある腰椎という骨の、骨と骨の間の繋ぎ目の関節を椎間関節といいます。椎間関節性腰痛は、腰椎の上から4番目と5番目間の椎間関節に炎症が起きて腰痛の症状がでます。
椎間関節性腰痛は、椎間関節の炎症が痛みの原因ですが、元々腰の筋肉が緊張していると、椎間関節に負担がかかり、椎間関節性腰痛の原因になります。
腰痛の原因に直接届く鍼
腰痛の鍼治療は、腰痛の原因となっている筋肉や椎間関節に鍼を刺します。
鍼の一番の特徴は、身体の中に鍼を入れるため腰痛の原因となっている筋肉の深いところや身体の奥にある椎間関節に直接アプローチできるというところです。
マッサージでは表面から圧を加えて筋肉を刺激しているので、どうしても身体の奥の深いところには届かない場合があります。鍼はその深いところにある筋肉や椎間関節に直接届いて、腰痛の原因となっている筋肉の緊張や椎間関節の炎症を根本的に改善することができます。
腰痛の原因となっている筋肉や椎間関節に鍼を刺すと、身体の中で2つの反応が起きます。
1つ目は、鍼を身体の中に入れると、身体の反射作用で鍼を刺したところの周辺の血流が良くなります。
腰痛の原因となっている筋肉が緊張することで、筋肉の中を通っている毛細血管が圧迫されて血流が悪くなりますが、鍼を刺して血流が良くなることで、腰痛の原因となっている筋肉の緊張も緩和されます。2つ目は、鍼を身体の中に入れると、鍼の刺激が筋肉の中や椎間関節の周りにある神経に伝わり、神経を介して脳に情報が送られます。そうすると、脳の中で鎮痛効果のある物質が生成されるため、その物質が腰痛の痛みを感じている神経に作用して、腰痛の痛みが軽減されます。
鍼を刺すと、このような反応が身体の中で起きて、腰痛を改善させます。
パルス通電で鍼の効果を高める
当院では、電気刺激が苦手ではない方は、鍼を刺したところに電極を繋いでパルス通電をします。パルス通電をすることでも身体の中で2つの反応が起きます。
1つ目は、パルス通電により、鍼が刺さっている筋肉が勝手に収縮して、ピクピクと動きます。ピクピクと動かすことによって筋肉の中を通っている血管をポンプのように刺激することができ、ポンプ作用で血液を送り出して血流が良くなり、腰痛の原因となっている筋肉の緊張が緩和されます。
2つ目は、腰の筋肉が緊張したり、椎間関節に炎症が起きて「痛い」と感じるということは、腰痛の原因となっている筋肉や椎間関節の中にある痛みを感じ取る神経が、「痛い」という情報を腰痛の原因となっている筋肉や椎間関節の中から受け取り、神経を介して脳に情報が伝達されることで脳で「痛い」と判断します。その神経を介する「痛い」という情報は電気信号で送られて脳に届きます。
パルス通電をすることで、身体の外から電気刺激を加え、「痛い」という電気信号で送られる情報を遮断して、痛みを和らげます。
パルス通電を行うと、このような反応が身体の中で起きて、腰痛を改善させます。
また、パルス通電では、2本の鍼にプラスとマイナスの電極をそれぞれ繋いで電気を流すため、その2本の鍼の間の筋肉全体や椎間関節の周辺に電気が流れます。ですので、筋肉全体や椎間関節の周辺に鍼を何本も刺さなくても少ない鍼の本数で効率よく腰痛を改善させることができるという利点もあります。
お灸で血流を改善して腰痛を改善
腰痛のお灸は、腰痛の原因となっている筋肉にお灸をします。
腰痛の原因となっている筋肉にお灸をすると、身体の中で2つの反応が起きます。
1つ目は、熱刺激で温めることによって血管を拡張させて血流が良くなり、腰痛の原因となっている筋肉の緊張が緩和されます。
2つ目は、お灸を温かくて気持ちのいいくらいの刺激で行うことで、身体がリラックスします。
身体がリラックスしたときには、副交感神経の働きが活発になるため、副交感神経の特徴である血管を拡張させて血流が良くなる作用や、緊張している筋肉を緩める作用がお灸をしている筋肉に働きます。
お灸をすると、このような反応が身体の中で起きて、腰痛を改善させます。
腰痛の原因となる筋肉
腰痛の症状の原因となる筋肉は、腰やお尻の筋肉の中で、7種類程度あります。
その中でも、腰痛の症状の原因となる代表的な筋肉を紹介します。
脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)
脊柱起立筋は、首から出て背骨と平行に下に伸びて、腰の下の骨盤の骨に付いている長い筋肉です。
腰の上の方の痛み(画像の『ポイント1』)・腰の下の方の痛み(画像の『ポイント2』)の原因になります。
『ポイント2』の下には腰椎の4番目と5番目の間の椎間関節があるため、『ポイント2』は、椎間関節性腰痛の原因にもなります。
腰方形筋(ようほうけいきん)
腰方形筋は、一番下の肋骨から出て下に伸びて、骨盤の上部と背骨に付いている長方形に近い形をしている筋肉です。
腰の横の方の痛み(画像の『ポイント』)の原因になります。
多裂筋(たれつきん)
多裂筋は、首から腰の背骨の際・骨盤にまで付いている筋肉です。
腰の下の方の背骨の際の痛み(画像の『ポイント』)の原因になります。
中殿筋(ちゅうでんきん)
中殿筋は、骨盤の上部から出て、お尻の外側にある太ももの骨の出っ張りに付いている筋肉です。
お尻の上部の少し外側の痛み(画像の『ポイント』)の原因になります。
腰痛の鍼灸治療
施術方法
上記の腰痛の原因となる代表的な筋肉や、その筋肉を含む7種類程度ある腰痛の原因となる筋肉の中から、問診や触診により、腰痛の原因になっている筋肉や筋肉の奥深くにある椎間関節の場所を的確に見つけ出します。
そしてその筋肉や椎間関節に、腰痛の痛みの原因となっている筋肉の深さや椎間関節に届く深さまで鍼を刺します。筋肉の硬いところや炎症が起きている椎間関節に鍼を刺すと、痛みとは異なる感覚で鍼を刺したところがズーンと響きを感じることがあります。初めての方は慣れない感覚だと思いますが、この響きは腰痛の痛みの原因を刺激して鍼の効果が現れるサインでもあります。
当院では、太さ0.16mm〜0.25mm程のディスポーザブル鍼(使い捨ての鍼)を使用します。注射針の1/2~1/4くらいの太さです。ですので、注射のような痛みはなく、鍼を刺しても何も感じないという方もいます。
電気刺激が苦手ではない方は、鍼を刺したところに電極を繋いでパルス通電をします。
鍼を刺した状態で10分程度時間を置くと、鍼の効果が現れてきます。
腰痛の鍼治療は、うつ伏せの姿勢で行います。しかし、腰痛の症状が強くてうつ伏せになれない人もいます。また、妊婦さんやうつ伏せになることができない内臓疾患をお持ちの方などは、痛い方の腰を上にした横向きの姿勢で行います。
施術者は、どの筋肉を押しているのかや椎間関節の場所を意識して腰痛の痛みの原因となっている筋肉や椎間関節を触診します。患者様の反応を聞いて、腰痛の痛みの原因となっているポイントを見つけ出して、鍼を刺します。
細かい筋肉や椎間関節を意識して鍼を刺すことで効率良く症状を改善させることができます。
また、鍼治療と併せてお灸をするとより効果的です。
当院では、間接灸という直径1.5cm高さ2〜3mmの円柱型の台座の上で艾(もぐさ)を燃焼させる方法で施術します。
直接皮膚に艾(もぐさ)を乗せるわけではないので、温かくて気持ちがいいくらいの熱さです。
お灸は鍼治療と同時に行います。
お灸も腰痛の痛みの原因となっているポイントに行うことで、症状を改善させることができます。
施術頻度
施術の頻度は症状によって異なります。
症状が強い場合は、初めは週に2・3回施術できるといいです。
症状が軽い場合は、初めは週に1回施術できるといいです。
施術を続けると症状が改善してくるので、経過をみながら施術の頻度を少なくしていきます。
当院では鍼の自費施術は、本数を1~5本 1,800円〜、本数を自由に決めることができ、本数を+2本増やすごとに、+900円で施術します。
お灸の自費施術は、8個まで 1,800円~、個数を自由に決めることができ、個数を+1個増やすごとに、+200円で施術します。
鍼とお灸は続けて施術をする場合、健康保険を使って施術することができます。健康保険を使うことで、自費施術よりも料金を安く抑えることができます。
整体・マッサージの施術を併用して効果を高める
鍼灸治療だけでも効果はありますが、鍼灸治療と整体・マッサージの施術を併用するとより効果があります。
整体・マッサージは、指で痛みの原因となっている筋肉を押すことで、筋肉の緊張が緩和され、血流が良くなり、痛みが軽減されます。
また、指で筋肉や椎間関節がある場所を押すことで、腰痛の原因となっている細かい筋肉や椎間関節がある場所を触診して、痛みのポイントを正確に把握することができるため、整体・マッサージの施術の後に行う鍼灸治療の効果も上がります。
整体・マッサージで痛みのポイントを正確に把握した後に、整体・マッサージでは届かない身体の奥の筋肉や椎間関節に、鍼で直接アプローチするというイメージです。
当院では、整体・マッサージの施術時間を10分 1,800円〜、時間を自由に決めることができ、施術時間を+10分延ばすごとに、+1,800円で施術します。
まとめ
以上のことから、腰痛の原因となっている筋肉や椎間関節に鍼を刺すと、身体の中で2つの反応が起きます。
鍼を刺して血流が良くなることで、腰痛の原因となっている筋肉の緊張も緩和されます。
鍼を刺すと、脳の中で鎮痛効果のある物質が生成されるため、腰痛の痛みが軽減されます。
パルス通電をすることでも身体の中で2つの反応が起きます。
パルス通電により、ポンプ作用で血液を送り出して血流が良くなり、腰痛の原因となっている筋肉の緊張が緩和されます。
パルス通電をすることで、身体の外から電気刺激を加え、「痛い」という電気信号で送られる情報を遮断して、痛みを和らげます。
また、パルス通電では、少ない鍼の本数で効率よく肩こりを改善させることができるという利点もあります。
腰痛の原因となっている筋肉にお灸をすると、身体の中で2つの反応が起きます。
熱刺激で温めることによって血管を拡張させて血流が良くなり、腰痛の原因となっている筋肉の緊張が緩和されます。
お灸を温かくて気持ちのいいくらいの刺激で行うことで、副交感神経の働きが活発になり、血管を拡張させて血流が良くなる作用や、緊張している筋肉を緩める作用がお灸をしている筋肉に働きます。
腰痛の症状の原因となる筋肉は、腰やお尻の筋肉の中で、7種類程度あります。
腰痛の原因となっている筋肉を見つけ出し、その筋肉や筋肉の奥深くにある椎間関節に、腰痛の痛みの原因となっている筋肉の深さや椎間関節に届く深さまで鍼を刺します。
筋肉の硬いところや椎間関節に鍼を刺すと、痛みとは異なる感覚で鍼を刺したところがズーンと響きを感じることがあります。初めての方は慣れない感覚だと思いますが、この響きは腰痛の痛みの原因を刺激して鍼の効果が現れるサインでもあります。
電気刺激が苦手ではない方は、鍼を刺したところに電極を繋いでパルス通電をします。
また、鍼治療と併せてお灸をするとより効果的です。
施術の頻度は症状によって異なります。
鍼灸治療だけでも効果はありますが、鍼灸治療と整体・マッサージの施術を併用するとより効果があります。
電話でご予約ご相談
070-9054-3548
電話はこちらをタップ