ぎっくり腰は、整体・マッサージが症状の改善に効果的な施術方法です。
主に、消炎鎮痛の効果がある塗り薬を塗りながらマッサージのように、ぎっくり腰の原因となっている緊張している筋肉を指で押して、筋肉の緊張を緩めて、炎症を抑える施術が効果的です。
また、ぎっくり腰が起こる原因を理解し、その原因を予防することも、整体・マッサージの施術を受けるのと同時に大切なことです。
ぎっくり腰の症状とメカニズム
ぎっくり腰は、2種類あります。
1つ目は、筋筋膜性(きんきんまくせい)のぎっくり腰です。
筋筋膜性のぎっくり腰は、腰をギクッと痛めた時に、腰の筋肉の繊維が部分的に損傷して炎症が起きた状態になります。人によって症状がでる場所が異なり、損傷する筋肉も人によって異なります。
筋筋膜性のぎっくり腰の発症の仕方は、
重い物を持ち上げる瞬間に、腰がギクッとなって痛める。
何気なく前かがみになったときに、腰がギクッとなって痛める。
起き上がりや立ち上がりなどの動き出しの動作で、腰がギクッとなって痛める。
など、様々な発症の仕方があります。
元々腰痛がある人や、腰痛がなくても気づかないうちに腰の筋肉が緊張して硬くなっている人が発症します。
また、筋肉の損傷に伴い、損傷した筋肉の痛みの影響で周りの腰やお尻の筋肉にも力が入り、筋肉が緊張してしまうことで痛みが助長されます。
筋筋膜性のぎっくり腰の発症後の症状は、
前かがみになるときに強い痛みがでる。
腰を反るときに強い痛みがでる。
起き上がりや立ち上がりなどの動き出しの動作で強い痛みがでる。
など、発症後の症状が現れる姿勢や動作も人によって様々です。
2つ目は、椎間関節性(ついかんかんせつせい)のぎっくり腰です。
腰に5つある腰椎という骨の、骨と骨の間の繋ぎ目の関節を椎間関節といいます。椎間関節性のぎっくり腰は、腰をギクッと痛めたときに、その椎間関節に炎症が起きた状態になります。椎間関節性のぎっくり腰は、腰椎の上から数えて4番目と5番目の骨の間の関節に起きやすいです。
腰を反ると腰椎の4番目と5番目の関節に負担がかかります。ですので、椎間関節性のぎっくり腰の発症の仕方は、
上にある物を取ろうとして、腰を反らせたときに腰がギクッとなって痛める。
重いものを持って腰を反らせたときに腰がギクッとなって痛める。
など、腰を反ったときに発症します。
椎間関節性のぎっくり腰は、椎間関節の炎症が発症の原因ですが、筋筋膜性のぎっくり腰と同じく、元々腰痛がある人や、腰痛がなくても気づかないうちに腰の筋肉が緊張して硬くなっている人が発症します。腰の筋肉が緊張していると、椎間関節に負担がかかり、椎間関節性のぎっくり腰の原因になります。
また、椎間関節性のぎっくり腰になった後も、痛みの影響で周りの腰やお尻の筋肉に力が入り、筋肉が緊張してしまうことで痛みが助長されます。
椎間関節性のぎっくり腰の発症後の症状は、
腰を反るときに腰の下の方に強い痛みがでます。
筋筋膜性のぎっくり腰とは異なり、椎間関節性のぎっくり腰は、必ず腰を反るときに腰の下の方に症状がでます。
ぎっくり腰の発症には、腰痛が深く関わり合っています。腰痛の原因と整体・マッサージは、別のページで紹介しています。
ぎっくり腰の原因と予防方法
ぎっくり腰を予防するには原因を理解する
ぎっくり腰の原因
長時間のデスクワークで同じ姿勢を続けることによって、腰の筋肉が緊張していた。
長時間の立ち仕事で腰の筋肉が緊張していた。
重い荷物を持ち上げたり下ろしたりすることが多く、腰の筋肉が緊張していた。
などの原因が考えられます。
原因をしっかりと見極め、予防できるところは予防して、腰の筋肉が緊張して固まらない姿勢や動作を理解することが大切です。
原因を理解できたらそれを予防する
ぎっくり腰の予防方法
デスクワークのときに腰やお尻をしっかりサポートできる椅子を使い、腰やお尻と背もたれの間に空間ができない椅子に座る。
また、椅子や机の高さを調整して、背もたれから腰が離れてしまう、前かがみや猫背の姿勢にならないようにする。立ち仕事のときは、片方の足だけに体重をかけると、体重をかけている方の腰やお尻に負担がかかるので、両足でバランス良く体重をかける。
また、時々腰を前屈させて、腰の筋肉をストレッチのように伸ばす。下に置いてある重い荷物を持つときは、立った状態で前かがみになって持つのではなく、必ずしゃがんで腰を落として持ち上げる。
荷物を下ろすときも、立った状態で前かがみになって下ろすのではなく、しゃがんで下ろす。
などの予防方法があります。
ご自身でいろいろと試しながら、自分にあった予防方法を見つけることが大切です。
ぎっくり腰の原因となる筋肉
ぎっくり腰の原因となる筋肉は、腰の筋肉の中で、3種類あります。
脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)
脊柱起立筋は、首から出て背骨と平行に下に伸びて、腰の下の骨盤の骨に付いている長い筋肉です。
腰の上の方のぎっくり腰(画像の『ポイント1』)・腰の下の方のぎっくり腰(画像の『ポイント2』)の原因になります。
『ポイント2』の下には腰椎の4番目と5番目の間の椎間関節があるため、『ポイント2』は、椎間関節性のぎっくり腰の原因にもなります。
脊柱起立筋の『ポイント1』(腰の上の方)のぎっくり腰の原因
デスクワークで腰の上の方が背もたれと空間ができた状態で座っていたため、『ポイント1』の部分にある筋肉が緊張して硬くなっていた。
下に置いてある重い荷物を、立った状態で前かがみになって持ちあげたり、下ろしたりするときに、『ポイント1』の部分にある筋肉を使います。
そのような動作が多いため、『ポイント1』の部分にある筋肉が緊張して硬くなっていた。
脊柱起立筋の『ポイント2』(腰の下の方)のぎっくり腰の原因
立ち仕事のときに腰が反っている姿勢が多いため、『ポイント2』の部分にある筋肉が緊張して硬くなっていた。
重い荷物を持つときに腰が反っている姿勢が多いため、『ポイント2』の部分にある筋肉が緊張して硬くなっていた。
などの原因があります。
腰方形筋(ようほうけいきん)
腰方形筋は、一番下の肋骨から出て下に伸びて、骨盤の上部と背骨に付いている長方形に近い形をしている筋肉です。
腰の横の方のぎっくり腰(画像の『ポイント』)の原因になります。
腰方形筋の『ポイント』(腰の横の方)のぎっくり腰の原因
腰方形筋は、腰を横に倒したり、腰を捻る筋肉です。
立ち仕事で腰を横に倒したり、腰を後ろに捻るような姿勢が多いため、『ポイント』の部分にある筋肉が緊張して硬くなっていた。重い荷物を持った状態で腰を横に倒したり、腰を後ろに捻るような動作が多いため、『ポイント』の部分にある筋肉が緊張して硬くなっていた。
などの原因があります。
多裂筋(たれつきん)
多裂筋は、首から腰の背骨の際・骨盤にまで付いている筋肉です。
腰の下の方の背骨の際のぎっくり腰(画像の『ポイント』)の原因になります。
多裂筋の『ポイント』(腰の下の方の背骨の際)のぎっくり腰の原因
立ち仕事で、片方の足だけに体重をかけて立っている姿勢が多いため、体重をかけている側の『ポイント』の部分の筋肉が緊張して硬くなっていた。
デスクワークのときに、猫背の姿勢になり、腰や背中が丸まった姿勢で長時間座っていると『ポイント』の部分の筋肉で上半身の重みを支えなければならないため、緊張して硬くなっていた。
などの原因があります。
ぎっくり腰の整体・マッサージ
施術方法
上記の3種類あるぎっくり腰の原因となる筋肉の中から、問診や触診により、ぎっくり腰の原因になっている筋肉を的確に見つけ出します。
そしてその筋肉に、筋肉の繊維に対して垂直でまっすぐに指をあて、筋肉の繊維を傷つけないように、「痛気持ちいい」と感じる快適圧で押してマッサージします。ぎっくり腰の場合は、炎症が起き、痛みに敏感になっているため、消炎鎮痛の効果のある塗り薬を塗りながら弱い刺激でマッサージします。そうすると、筋肉の緊張が緩和され、炎症が治まり、痛みが軽減されます。
患者様によって快適に感じるマッサージの強さが違うため、患者様とコミュニケーションを取りながら、一人一人に合ったマッサージを提供することが大切です。
腰のマッサージは、基本的にはうつ伏せの姿勢でマッサージします。しかし、ぎっくり腰の症状が強くてうつ伏せになれない人もいます。また、妊婦さんやうつ伏せになることができない内臓疾患をお持ちの方などは、痛い方の腰を上にした横向きの姿勢でマッサージします。
施術者は親指を使ってマッサージし、腰のどの筋肉を押しているのかを意識しながら施術します。
細かい筋肉を意識しながら施術することで効率良く症状を改善させることができます。
施術頻度
施術の頻度は症状によって異なります。
症状が強い場合は、初めは毎日続けて施術できるといいです。
症状が軽い場合は、初めは1日おきに施術できるといいです。
ぎっくり腰の場合は、なるべく間を空けず続けて施術をすると症状の改善が早いです。
ぎっくり腰を起こしてから日にちを空けずにすぐに施術を開始できれば、長くても1週間程度で症状が改善します。
ぎっくり腰を起こしてから施術を開始するまでに、日にちが空けば空くほど、症状の改善にも日にちがかかります。
当院では、整体・マッサージの施術時間を10分 1,800円〜、時間を自由に決めることができ、施術時間を+10分延ばすごとに、+1,800円で施術します。
テーピングで筋肉を補強する
症状が強く、炎症が強い場合は、テーピングをすることでぎっくり腰の原因となる筋肉や椎間関節の働きを補うことができ、症状の改善が早くなります。
当院では、テープを使った長さにより、100円~500円で施術します。
鍼治療を併用して施術効果を高める
整体・マッサージだけでも効果はありますが、鍼が苦手でなければ、整体・マッサージと鍼を併用して施術をするとより効果があります。
鍼は、整体・マッサージでは届かない身体の奥の筋肉に直接アプローチができ、より筋肉の緊張が緩和され、鎮痛効果が期待できます。
患者様と相談をしながら、整体・マッサージのみで施術をするか、鍼も併用して施術をするかを決めていきます。
当院では鍼の自費施術は、本数を1~5本 1,800円〜、本数を自由に決めることができ、本数を+2本増やすごとに、+900円で施術します。
鍼は続けて施術をする場合、健康保険を使って施術することができます。健康保険を使うことで、自費施術よりも料金を安く抑えることができます。
まとめ
ぎっくり腰の予防方法は、症状が現われた原因をしっかりと見極め、予防できるところは予防して、腰の筋肉が緊張して固まらない姿勢や動作を理解することが大切です。
ご自身でいろいろと試しながら、自分にあった予防方法を見つけることが大切です。
ぎっくり腰の原因となる筋肉は、腰の筋肉の中で、3種類あります。
ぎっくり腰の原因となっている筋肉を見つけ出し、筋肉の繊維に対して垂直でまっすぐに指をあて、筋肉の繊維を傷つけないように、「痛気持ちいい」と感じる快適圧で押してマッサージします。ぎっくり腰の場合は、炎症が起き、痛みに敏感になっているため、消炎鎮痛の効果のある塗り薬を塗りながら弱い刺激でマッサージします。そうすると、筋肉の緊張が緩和され、炎症が治まり、痛みが軽減されます。
施術の頻度は症状によって異なります。
症状が強く、炎症が強い場合は、テーピングをします。
整体・マッサージだけでも効果はありますが、鍼が苦手でなければ、整体・マッサージと鍼を併用して施術をするとより効果があります。
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