腱鞘炎は、整体・マッサージが症状の改善に効果的な施術方法です。
消炎鎮痛の効果がある塗り薬を塗りながらマッサージのように、腱鞘炎の原因となっている緊張している筋肉を指で押して、筋肉の緊張を緩めて、腱鞘の炎症を抑える施術が効果的です。
痛みが強くて手首の可動域制限が強い場合は、手関節の動きを良くするための運動療法を併せて行うと効果的です。
また、腱鞘炎が起こる原因を理解し、その原因を改善することも、整体・マッサージの施術を受けるのと同時に大切なことです。
腱鞘炎の症状とメカニズム
腱鞘炎は、手首を曲げたり伸ばしたりして動かしたときに痛みを伴います。症状が強いと、手首を動かすとズキンと鋭い痛みを伴い、手首の可動域が制限されます。
腱鞘炎は、手首や指の使い過ぎで、前腕の筋肉が緊張して硬くなり、手首にある腱鞘という組織が炎症を起こしている状態です。腱鞘は、手首の周りにいくつもあり、炎症が起きている腱鞘の場所により手首の痛む場所が異なります。
腱鞘とは、腱と鞘(さや)という字で書かれている通り、腱の周りを刀の鞘のように包んでいる組織です。
手首の曲げ伸ばしや指の曲げ伸ばしをする筋肉は、前腕や肘の周りから出て、手首で筋肉から腱に変わり、手の甲や指まで伸びています。その手首で筋肉から腱に変わったところに腱鞘があります。
腱鞘の中は、潤滑液で満たされているため、手首の曲げ伸ばしや指の曲げ伸ばしのときに腱が腱鞘の中でスムーズに動くことができます。
腱鞘炎は、基本的に腱が伸ばされた状態になると、一番痛みを伴います。
ですので、
手の甲側の手首の腱鞘炎の場合は、手首を手のひら側に曲げたときに、一番痛みを伴います。
手のひら側の手首の腱鞘炎の場合は、手首を手の甲側に反らしたときに、一番痛みを伴います。
腱鞘炎が起きやすい部位としては、手首の親指寄りのところ・手首の手の甲側の中間あたり・手首の手のひら側の中間あたりが腱鞘炎が起きやすいです。
手首の親指寄りのところの腱鞘炎は、特に腱鞘炎が起きやすい場所なので、ドケルバン病という名前が付けられています。また、手の指を曲げたときに、手のひらの指の付け根のあたりがカクッと引っかかる、ばね指も腱鞘炎の一種です。
ドケルバン病・ばね指の原因と整体・マッサージは、別のページで紹介しています。
この先は、ドケルバン病とばね指以外の手首周りの腱鞘炎について詳しく紹介します。
腱鞘炎の原因と改善方法
腱鞘炎を治す近道は原因を理解する
腱鞘炎の原因
片手で重い物を持つことが多い。
子供を抱っこすることが多い。
料理をすることが多く、重い鍋を振ることが多い。
料理をすることが多く、包丁で固い物を切ることが多い。
片方の手だけで、タオルやブラシで何かをゴシゴシと擦ることが多い。
などの原因が考えられます。
原因をしっかりと見極め、改善できるところは改善して、前腕の筋肉に負担がかからない動作を理解することが大切です。
原因を理解できたらそれを改善する
腱鞘炎の改善方法
重い物を持つときは、両手で持つ。
あるいは、片手で持たなければいけないときでも、片方の手だけで持つのではなく、左右バランス良く交互に持つ。子供を抱っこするときは、抱っこする手の位置によって片方の手だけに負担がかかるので、左右の手の役割を交互に変えながら抱っこする。
料理で鍋を振るときは、手首だけを使って鍋を振るのではなく、肘や肩関節を使って鍋を振る。
包丁で硬いものを切るときは、手首だけを使って切るのではなく、肘や肩関節を使って切る。
片方の手だけで、タオルやブラシで何かをゴシゴシ擦るのではなく、左右の手を変えながら作業をする。
などの改善方法があります。
ご自身でいろいろと試しながら、自分にあった改善方法を見つけることが大切です。
腱鞘炎の原因となる筋肉
腱鞘炎の原因となる筋肉は、前腕の筋肉の中で、6種類程度あります。
その中でも、腱鞘炎の原因となる代表的な筋肉を紹介します。
長橈側手根伸筋(ちょうとうそくしゅこんしんきん)
長橈側手根伸筋は、肘の外側の骨の出っ張りから出て、前腕を通って、手の甲の人指し指の骨の付け根のあたりに付く筋肉です。
手の甲を前腕に近づけるように、手首を反らすときに使う筋肉です。
長橈側手根伸筋が原因の腱鞘炎では、手首を手のひら側に曲げたときに、腱が伸ばされた状態になり、手首の手の甲側の中間あたり(画像の『痛みの場所』)に痛みを伴います。
長橈側手根伸筋の腱鞘炎の原因
手首を反らすように、片手で重い物を持つことが多い。
料理をすることが多く、重い鍋を振るときに手首を反らすことが多い。
料理をすることが多く、包丁で固い物を切るときに手首を反らすことが多い。
タオルやブラシで何かをゴシゴシと擦るときに、手首を反らすことが多い。
などの原因があります。
橈側手根屈筋(とうそくしゅこんくっきん)
橈側手根屈筋は、肘の内側の骨の出っ張りから出て、前腕を通って、手のひらの人差し指寄りに付く筋肉です。
手のひらを前腕に近づけるように、手首を曲げるときに使う筋肉です。
橈側手根屈筋が原因の腱鞘炎では、手首を手の甲側に反らしたときに、腱が伸ばされた状態になり、手首の手のひら側の中間あたり(画像の『痛みの場所』)に痛みを伴います。
橈側手根屈筋の腱鞘炎の原因
手首を曲げるように、片手で重い物を持つことが多い。
子供を抱っこするときに、手首を曲げることが多い。
などの原因があります。
腱鞘炎の整体・マッサージ
施術方法
上記の腱鞘炎の原因となる代表的な筋肉や、その筋肉を含む6種類程度ある腱鞘炎の症状の原因となる筋肉の中から、問診や触診により、腱鞘炎の原因になっている筋肉を的確に見つけ出します。
そしてその筋肉に、筋肉の繊維に対して垂直でまっすぐに指をあて、筋肉の繊維を傷つけないように、「痛気持ちいい」と感じる快適圧で押してマッサージします。その際に、消炎鎮痛の効果のある塗り薬を塗りながら、炎症が起きている腱鞘の部分も弱い刺激でマッサージします。そうすると、筋肉の緊張が緩和され、腱鞘の炎症が治まり、痛みが軽減されます。
患者様によって快適に感じるマッサージの強さが違うため、患者様とコミュニケーションを取りながら、一人一人に合ったマッサージを提供することが大切です。
前腕のマッサージは、仰向けの姿勢でマッサージします。
施術者は親指を使ってマッサージし、前腕のどの筋肉を押しているのかを意識しながら施術します。
細かい筋肉を意識しながら施術することで効率良く症状を改善させることができます。
また、腱鞘の炎症が強く、手関節の可動域制限が強い場合は、マッサージと併せて手関節の可動域を広げる運動療法も行います。
手関節の骨と骨の間を広げるようにして、少し痛みがでるくらいの範囲まで手関節を動かす運動療法を行います。そうすると、腱鞘の中を通る腱の動きが良くなり、腱鞘の炎症が治まり、手関節の動きがスムーズになり、痛みが軽減されます。
手関節の運動療法も、仰向けで行います。
手関節の骨と骨の間を広げるように手を下に引っ張りながら、手関節を曲げたり反らしたり前後に動かす運動療法を行います。
手関節の構造を意識しながら施術することで効率よく可動域を改善させることができます。
炎症が強い場合は、アイシングをして熱感や腫れを抑えます。
施術頻度
施術の頻度は症状によって異なります。
症状が強い場合は、初めは毎日続けて施術できるといいです。
症状が軽い場合は、初めは1日おきに施術できるといいです。
施術を続けると症状が改善してくるので、経過をみながら施術の頻度を少なくしていきます。
症状が軽い場合だと、1週間程で症状が改善されます。
症状が強く、熱感や腫れなどの炎症が強い場合は、症状の改善に1か月程かかることもあります。
当院では、整体・マッサージの施術時間を10分 1,800円〜、時間を自由に決めることができ、施術時間を+10分延ばすごとに、+1,800円で施術します。
テーピングで腱鞘と筋肉を補強する
痛みと可動域制限が強く、熱感や腫れなどの炎症が強い場合は、テーピングをすることで腱鞘炎の原因となる腱鞘と筋肉の働きを補うことができ、症状の改善が早くなります。
当院では、テープを使った長さにより、100円~500円で施術します。
鍼治療を併用して施術効果を高める
整体・マッサージだけでも効果はありますが、鍼が苦手でなければ、整体・マッサージと鍼を併用して施術をするとより効果があります。
鍼は、整体・マッサージでは届かない身体の奥の筋肉や腱鞘に直接アプローチができ、より筋肉の緊張が緩和され、鎮痛効果が期待できます。
患者様と相談をしながら、整体・マッサージのみで施術をするか、鍼も併用して施術をするかを決めていきます。
当院では鍼の自費施術は、本数を1~5本 1,800円〜、本数を自由に決めることができ、本数を+2本増やすごとに、+900円で施術します。
鍼は続けて施術をする場合、健康保険を使って施術することができます。健康保険を使うことで、自費施術よりも料金を安く抑えることができます。
まとめ
以上のことから、腱鞘炎を治す近道は、症状が現れた原因をしっかりと見極め、改善できるところは改善して、前腕の筋肉に負担がかからない動作を理解することが大切です。
ご自身でいろいろと試しながら、自分にあった改善方法を見つけることが大切です。
腱鞘炎の原因となる筋肉は、前腕の筋肉の中で、6種類程度あります。
腱鞘炎の原因となっている筋肉を見つけ出し、筋肉の繊維に対して垂直でまっすぐに指をあて、筋肉の繊維を傷つけないように、「痛気持ちいい」と感じる快適圧で押してマッサージします。その際に、消炎鎮痛の効果のある塗り薬を塗りながら、炎症が起きている腱鞘の部分も弱い刺激でマッサージします。そうすると、筋肉の緊張が緩和され、腱鞘の炎症が治まり、痛みが軽減されます。
また、腱鞘の炎症が強く、手関節の可動域制限が強い場合は、手関節の骨と骨の間を広げるようにして、少し痛みがでるくらいの範囲まで手関節を動かす運動療法を行います。そうすると、腱鞘の中を通る腱の動きが良くなり、腱鞘の炎症が治まり、手関節の動きがスムーズになり、痛みが軽減されます。
施術の頻度は症状によって異なります。
炎症が強い場合は、アイシングをして熱感や腫れを抑えます。
痛みと可動域制限が強く、熱感や腫れなどの炎症が強い場合は、テーピングをします。
整体・マッサージだけでも効果はありますが、鍼が苦手でなければ、整体・マッサージと鍼を併用して施術をするとより効果があります。
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